遺言内容について注意することです。遺言は、自分の意思を反映するため、残された家族が争いとならないため、相続手続きの負担を減らすためにするものですが、下記のような遺言だと逆に争いの元となることがあります。
1.法定相続分を完全無視している。
法定相続分どおりに財産の振り分けをしないといけないわけではありませんが、あまりにかけ離れていると、争いを残す結果となります。また、相続人には最低限保証された相続分である遺留分がありますので、それさえも侵している場合は遺言が覆される場合があります。
2.共有財産にしている。
例えば、不動産を共有としてしまうと、その後の管理や処分(売却)について共有者双方の合意が必要となってきますので、手続きが煩雑となります。理由もなく共有とすることは避けましょう。
3.それぞれの生活状況、経済状況に配慮していない。
例えば、遠方にいる相続人やすでに持ち家がある相続人に自宅を相続させると逆に管理に困ってしまいます。
4.生前に貢献してくれたことを考慮していない。
例えば、介護や身の回りの世話をしてくれた方や、事業を手伝ってくれた方は、多くもらう権利があるはずという思いがあります。法律的にも貢献度合いに応じて多めに配分されることがありますので、予め配慮しておいたほうがよいでしょう。
5.祭祀やお墓を承継、管理をしていく相続人について考慮していない。
お墓の管理は現実的にも金銭的にも負担がありますので、せめて、金銭的には配慮していただくといいと思います。
6.生前贈与をしている相続人としていない相続人に差をつけていない。(特別受益)
生前贈与は相続分の前渡しという性質があります。法律的にも生前贈与を受けている方は少なめに配分されることがありますので、予め配慮しておいたほうがよいと思います。
7.相続税がかかるのに、納付できるか配慮していない。
例えば、不動産だけを相続された方は、ご自身で相続税としてのお金を工面することになりますので、現金や死亡保険金等で支払えるようにしておく対策が必要となります。
8.なぜそのような財産配分としたか理由がわからない。
相続分が少なかった方は、不満が残りやすいですが、その理由が書いてあれば相続人も納得しやすいです。